映画原人の穴

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【映画】「レディ・プレイヤー1」―人生、ゲーム感覚だとすぐ飽きるよね?―

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概要

 「色んなアニメとかのキャラクターをクロスオーバーさせまくったゲーム世界」を舞台にした小説をスピルバーグが映画にする。
 初めて劇場で前予告を観た時、映像には「AKIRA」の「金田バイク」が映っていた。
 そこでこれ以上この映画の情報を見るのはやめようと誓った。まだ観てない人は予告編に目をくれてやる必要はない。何も知らない状態で観たほうが驚き、興奮するはずだから。

 


あらすじ

 世界は現実の諸問題を解決することを放棄し、人々は荒れ果てたリアルを見捨てオンラインゲーム「オアシス」の世界で生きることを選んだ。
 そのオアシスの創始者である故人ハリデー(マーク・ライランス)は、遺言で「オアシスの所有権と5000億ドル相当の自分の遺産」を賞品とするゲームの開催を宣言し、誰もがそれを目指すべく奮闘していた……


感想

 シーンの隅々まで張り巡らされたクロスオーバー。一回の鑑賞て全てを把握できる人間なんていないだろう。とはいえ、ただ沢山配置するだけでは楽しい映画とは言えない。それこそ、それぞれの作品のファンたちがお好みを見つけて満足する程度の「確認作業映像」と化してしまう。

 何をどこでどのような役割でどれくらい描写するか、それを構成することは並大抵のことではないだろう。「レディ~」に関しても大抵のキャラクター達はモブである。まあそれでも出てるだけでも嬉しいのがファンである。

 その中で大活躍する役割を担った作品たち。先のAKIRAをはじめとして日本製が結構フィーチャーされているので日本民族としてはうれしい限りだし、その活躍する様もすこぶる迫力があって終盤のアレに関しては手に汗どころか空調のきいた映画館の中で額に汗がにじむほど興奮した!!
 
 実写映画シーンのアトラクションチックなスリルもすごい。まさしく4DXなどなくとも映画館をテーマパークに改築してしまっているのだ。そう、これは一つの映画の中に「ディズニーランド」や「ユニバーサルスタジオ」の様にたっぷりのコンテンツを仕込んだアトラクションテーマパークだ。しかもライセンス部の頑張りで会社の垣根を超えて。

 アトラクションを楽しむにはそれに乗り込むしかない。「レディ~」では最初に恐ろしいカーレースを配置し、先の金田バイクやデロリアンに観客を無理やり押し込むことでその条件を完了する。初っ端からアクションと豊富なコンテンツをつるべ撃ちで叩き込み、あっという間に人々は「レディ~」の世界にログインさせられているのだ。

 その世界はハッキリ言ってとても恐ろしい。人々はリアルの歴史を学ぶ代わりに、ハリデーと彼が楽しんだゲームや映画、いわゆるポップカルチャーを追い掛け回している。数万年の人間の進歩の歴史は一文の値打ちも無くなり、たった数十年のそれが全てとなっている。
 昔、ゲームやって映画見るだけの暮らしを望んだことがあるが、実際それだけの世界をこうして見せられたら空恐ろしくなってきた。いや、理由ははっきりしていて、「ゲームはゲームである」のが絶対の前提であり、それがリアルになるというのがすこぶる気持ち悪いのだ。

 ストーリーは主人公の成長モノのように見えるが、ハッキリ言って主人公は一歩たりとも成長しているようには思えない。人々はとある条件下では普段の抑圧から解放される。オンラインゲームやネットで人格が変わるというのもその一つだ。
 主人公は現実ではさえなく、家族仲もよくない。つまり典型的な「抑圧された現実からオアシスを逃げこんだ一般人」だ。
 だからこそオアシス内では「スパイダーマン3」のピーター・パーカーの様に観ているこっちが恥ずかしくなるほど羽目を外したりする。

 そんな彼が中盤から現実においても勇気を持って行動するようになる。しかし、それは成長したのではなく、ゲーム内のアバターに現実の自分が侵食されたようにしか見えないのだ。
 そしてそれが起こる原因も自身の力ではなく、外部の力で抑圧が消されているだけだ。主人公が自ら何かしたわけではない。

 オンラインゲームは基本的に終わらない。次々とアップデートが施され、テコ入れが行われる。プレイヤーは牢屋の食堂に並ぶ囚人の様に並んで新しいコンテンツを待ち、それを食う。それが延々と繰り返されているようなものだ。
 オンラインゲームでレベルが上げるには延々とそのゲームをし続けるしかない。つまり並んでは食い続けるしかない。

 この映画はそれを見事に表現していると感じた。主人公が今後どうなっていくのか全く想像できないからだ。自分の意志で何かをしていくとは到底思えない(するとしてもオナニー紛いの気軽な快楽だけだろう)。人生そのものがオンゲと化してしまったのだ。恋も何もが実績解除でしかなく、女含めてトロフィーに囲まれた無気力なラスト・・・・・・のように見えたのは俺だけか?

 

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