映画原人の穴

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【映画】「ムカデ人間」―消化不良だよ~!―

ムカデ人間 [DVD]

概要

 人間を口と肛門で数珠つなぎにすれば、ムカデ人間だ!そんなアイデア一本で製作された変態映画。
 「ムカデ人間」は三部作となっており、初陣となる第1作の舞台はドイツだ。ドイツの黒い森に潜む変態博士の凶悪な研究成果が明らかになる。

 


あらすじ

 高名な医者であったヨーゼフ・ハイター博士(ディーター・ラーザー)は、旅人やトラック運転手を捕らえ、自身の野望「ムカデ人間」製作の材料にしていた……


感想

 雨が降る夜、山中にぽつんと立つ一軒家にびしょ濡れの美女二人がやって来て助けを求める。これは、既視感。この間見たキアヌ・リーヴス主演の「ノック・ノック」もほとんど同じ始まり方だった。
 しかし、その家に住むのはキアヌではなく変態鬼畜博士だった。かくして女たちは捕らえられてしまう。

 「ムカデ人間」第一弾では3人が繋がってムカデとなる。……のだが、皆が早く観たいムカデ人間の登場までかなり焦らされる。そのうえ、焦らしがあまりにも雑すぎて最初は笑えるのだが,だんだんイライラしてきて、もう限界だ!というところで遂にムカデ人間が完成となる。

 ムカデ人間の先頭は調達現場のシーンが割愛された関西人カツロー(北村昭博)であり、後ろに白人女二人がつながる。先頭のカツロ―は唯一口が自由になっているので喋ることも食事を摂ることもできる。また、どう動くかも彼が考えるのだ。つまり彼はムカデ人間の頭部の役割を持つ。彼が死んだらどうしようもなくなってしまうのだ。
 彼が食事を摂り、しばらくすると自動的に真ん中の方に栄養が行く。オレは鑑賞前のイメージではコロコロコミックで昔連載していた「うちゅう人田中太郎」でやっていた「メシを食ったら、ケツからカプセルが出てきて中には全く同じメシが……永遠の自給自足」を想像していたのだが、ハイターは彼らを繋いだだけで、それぞれの体内の構造は一緒。
 つまり、次の人にはただ単にクソが受け渡されるだけじゃないか!ウゲーー!

 真ん中は先頭がある程度消化したもの(既にクソだが)を更に消化する「胃と小腸」の役割を持っており、一番最後は残った栄養を搾り取ってカスを排泄する「大腸と肛門」だ。
 その構造に気付いた時には既に物語も終盤になっていた。ハッキリ言ってリンジー(アシュリー・C・ラーザー)と同じくらい消化不良で便秘みたいな物足りない終わり方だった。観ていて思うのはムカデ人間という異形のモノの魅力ではなく、「ムカデ人間って生きにくそうだな……」という遠慮したい気持ちだけだ。

 とはいえ、良い面も大きい。陰惨な出来事を扱いながらも、作品の雰囲気は全く暗くないところだ。理由は幾つかあり、まずは「頭部」のカツロ―だ。カツロ―は絶望と羞恥に襲われながらも現状打破の気持ちを失わず、博士に対して抵抗の心を持ち続ける。彼の気持ちは女の子たち(胴体)にも伝わり、全身で諦めない心を体現するのだ。感動的だ。
 博士もいい。物凄く発達した骨格に野心満々の目玉を宿し、ただただムカデ人間完成に心血を注ぐ。完成時の喜びようは本物だ。

 この映画ははっきり言ってムカデ人間のアイデアを発表したプレゼン資料の様な映画だ。何かの要素を膨らませるのではなく、このアイデアは面白いよ、もっと金出せばもっとすごいの作れるよ!とアピールしているような映画だ。
 つまり、もっと観たいと思わせる映画だった。「ムカデ人間2」はそんな観客の期待を裏切らない1作らしいが、果たして……?

 

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