映画原人の穴

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【映画】「極道恐怖大劇場」牛頭 GOZU」―映画は撮ったもん勝ち―

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概要

 「もしデヴィッド・リンチがヤクザ映画を撮ったら?」……これがコンセプトらしく、奇妙な映画に仕上がっている(ジャンルはやくざホラー)。一風変わったキャラクターばかりが登場し、そこを曽根英樹(現:曽根悠多)が哀川翔を探して右往左往する物語である。

 


あらすじ

 宇廻組の組員である尾崎(哀川翔)は、ただのチワワを「ヤクザ犬」であると言って惨殺し、後ろを走っていた車(運転手はただのおばさん)を「ヤクザカ―」であると言っておばさんを射殺しようとするなど言動が怪しくなっていた。
 宇廻(石橋蓮司)は自分も殺されるのではないかと恐怖を感じ、尾崎の子分である南(曽根英樹)に尾崎を殺し、名古屋のヤクザ処理場で処分するよう命令する。しかし、名古屋への道中で南は尾崎を見失ってしまう……


感想

 話の骨格だけを抜きとってみると、「尊敬する兄貴分の暗殺を命令される子分」、「その葛藤の道中で兄貴を見失う」、「探していく過程で色々な人に出会う」、「いろいろあって再会」である。

 しかし、そこに異様な肉付けを施しまくり、混沌とした物語になっているのだ。デヴィッド・リンチがモチーフとなっているらしいが、「デューン/砂の惑星」のリンチと確かに似ていなくともない。「デューン~」とは世界中でベストセラーとなった。大長編SFだ。その物語はいわゆる「映像化が不可能とされてきた」代物で、まともに映像化すればコストが途方もなくかかるのは明白だった(それ以前に製作しようとし頓挫したアレハンドロ・ホドロフスキー版はその制作過程自体がドキュメントとして公開されている)。
 デヴィッド・リンチは巨大なスタジオと原作のがんじがらめとなるが、持てる力のすべてを奇怪なキャラクターや装飾に注いだ。しかしファイナルカット権利が自身になかったことで評判も微妙な作品へとなったのだ。

 この「牛頭」はもともと大御所の曽根晴美(劇中出てくるマサカズ旅館の弟を演じている)の息子の曽根英樹を主演に”王道の任侠映画”を目指して製作開始された映画だった。それを三池崇史が海外受けの良い作品にすべきと提言し(実際カンヌ映画祭に出品された)、主演・曽根英樹という事以外は全てを捻じ曲げてしまったのだ!
 
 リンチは自身の直感を信じ作品を作り上げるというが、この映画にも「これでいいのだ!」と信念を押し通す気概が感じられる(?)。映画に決まりきったフォーマットなんてないんだと自由な空気を感じさせてくれる映画、な気がする。

 

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