映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

【映画】「パトリオット・デイ」―愛に勝る道理は無し―

f:id:genjinoo:20170627083824j:plain

 

概要

 2013年4月15日に発生した「ボストンマラソン爆弾テロ事件」を題材に主演マーク・ウォールバーグ、監督ピーター・バーグで映画化した作品。
 ボストンマラソンは毎年4月の第3月曜日に開催され、その日は「愛国者の日(パトリオット・デイ)」というアメリカ独立戦争を記念する祝日なのだという。本作もまたアメリカ人の結束力・勇気・頑張りを讃えた愛国的な作品となっている。

 


 

あらすじ

 2013年、ボストンマラソンのゴール付近で爆弾テロが発生した。負傷者は膨大で、3人が死亡する惨事となった。
 犯人は群衆に紛れて姿を消してしまったが、周辺に設置されていた大量の防犯カメラからの映像を頼りに地元の刑事であるトミー・サンダース(マーク・ウォールバーグ)が容疑者を特定。ボストン市警とFBIによる犯人探しが始まる……


感想

 「最大の危機は、最大の奇跡を生む」これが、日本でのキャッチコピーだ。先進国内でテロが起こる度にそれを象徴するような出来事が各地で起こった。
 つまり皆で行進したり、なんか飛ばしたりするようなアレだ。個人的にはそんなに集まったらまた爆破されるんじゃないかと心配になるのだが、2007年の「キングダム/見えざる敵」という作品ではまさしく二次爆破が描かれていた。この作品の監督はピーター・バーグ、彼は今回の監督でもある。

 ハリウッド映画をみて分かるのがテロに対する徹底的な対抗だ。原因を振り返れば、もともとは欧米国家が今までさんざんやってきた悪事がもとになっているのが現在のジハードテロだ。
 今作や「エンド・オブ・キングダム」においてもそれは触れられる。しかし、だからといってテロが正当化されることはないのだ。目には目を歯には歯を、なんてクソくらえなのだ!(まあ911では間違えた相手に仕返ししているが)原因が何であろうと襲ってくるものには敢然と立ち向かうさまは日本人も見習ったほうがいいな。

 主演は、ピーター・バーグとは3回目のタッグとなるマーク・ウォールバーグ。彼自身がボストン出身であるのだが、若いころは不良で今回演じるボストン市警には25回も世話になっているという。そんな彼もいまや警官役が様になっているのだから人生とは分からないものだ。
 その妻を演じるのはミシェル・モナハン。彼女は「M:i:Ⅲ」でイーサン・ハントの嫁さんを演じていたが何時の間にか無かったことにされた悲しい役となってしまった。しかし今回は「アメリカン・スナイパー」におけるシエナ・ミラーの様な熟した女性を見事に演じている。

 クリント・イーストウッドが監督した「アメリカン・スナイパー」と「パトリオット・デイ」はいくつかの共通点がある。平和を守る男が主役であること・中東問題に絡むこと・アメリカに対する愛国心がキーとなることだ。
 兵士と警官は、国民・市民を守るのが仕事だ。クリス・カイルは911を見て従軍を志願し、トミー・サンダースは目の前でテロが発生したことでそれまで散々言っていた泣き言を忘れたかのように動き出す。そこに「なんでこんなことになった?」という疑問はない。「敵を倒し、家族を守る」それだけが彼らの関心ごとだ。それ以前の話は政治家や学者の問題なのだ。
 本作においてそういった政治的な話はごく僅かであり、しかも語り手はテロリスト側だ。彼らは憎悪のあまりとんでもない作り話まで信じ込み、さらに憎悪を募らせている。最早その気持ちを抑えることはできそうもない。つまり仕様がない連中として描かれる。
 ちなみにテロリストの妻キャサリンを演じるのはメリッサ・ブノワ、テレビドラマの「glee」に出たり、「スーパーガール」で主演を務めるいるのだが、本作ではテロリストの妻というには可愛らしすぎる風貌であり、実際の本人と比べると許すべからずパネマジとなっている。

 実際の事件の詳細はあまり詳しく報道されることはなかった。wikipediaにはそれなりの詳細が記されているが、例えばローレルアベニューで発生した「猛烈な」銃撃戦、と1行足らずの情報で書かれている。
 しかし監督のピーター・バーグは「キングダム~」等で重厚感あふれる銃撃シーンを描いてきた男だ。本作もそこはJ・K・シモンズの見せ場としてがっちりと描かれる。
 そんな感じで見どころが多い映画ではあるのだが、アメリカに対する愛国心をとても強く打ち出しているため、外国人である自分にはちとそれがしつこく感じた。イーストウッドはあっさり処理するんだろうけど、それは年齢の違いか?

 

 

【映画パンフレット】パトリオット・デイ 監督:ピーター・バーグ

【映画パンフレット】パトリオット・デイ 監督:ピーター・バーグ