映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

【映画】「ラットレース」―観るしかない、このビッグウェーブを!―

ラットレース [DVD]

 

 

あらすじ

 ラスベガスのカジノスロットで不思議なコインを手に入れた人間がそれを仕掛けた億万長者ドナルド(ジョン・クリーズ)のもとに集められた。
 ドナルドは全員に鍵を渡す。それはラスベガスから遠く離れたニューメキシコ州シルバーシティにあるコインロッカーのカギであり、中には200万ドルがあるという。
 一番先についた者に全額贈呈するというドナルドの宣言から、大金をかけたレースが幕を開ける……

 


おすすめ

 年齢も境遇も異なる人々が大金をめがけて競争を繰り広げる……。あらすじだけ聞けばありがちな映画であるし、あまり知名度が高いとも言えない。
 しかし、全てが行き当たりばったりで進んでいく滅茶苦茶な展開でありながら、きっちりと均整の取れた作品であり、笑えるし最後はほっこりとする。
 また、何故か3人ものオスカー俳優が出ていたり、一番フレッシュな頃のエイミー・スマートがまるで「ジョジョ」の山岸由花子の様な裏表の激しいキャラクターをはつらつと演じていたりと、出演陣にも要注目だ。


感想

 昔観てすごく面白かったんだけどすっかり忘れていた作品だ。2002年の作品であるからそれほど古い作品ではないし、家族で楽しめるコメディ映画だからテレビ放送されていてもおかしくないのだが、金曜ロードショ―などに登場したところを今までお目にしたことはない。まさしく埋もれてしまった映画と言えるだろう。
 しかし誰も知らなくともそれが駄作とは繋がらないことをこの作品が証明している。
 
 まず、本作は多種多様なキャラクターが登場するが各々が例えわずかな時間しか登場しなくとも非常に魅力的に映っているのだ。
 例えば、オスカー女優のキャシー・ベイツ扮するリス売りオバサンはほんの少しの登場時間であるが、夢にまで出てくるような気味の悪さ、後味がずーっと残る不気味さを醸し出す。
 ウーピー・ゴールドバーグ演じる母親ベラと、娘のメリル(ラネイ・チャップマン)も約30年間生き別れだった割には非常に連携の取れたリアクションなどを繰り返し、なんの説明もないのに別れていた時間を取り戻すように仲を深めていくのがわかり感動的だ(こじつけか?)。
 ちなみにラメイ・チャップマンは「デッド・ヒート」ジャッキー・チェンのヒロインを演じたアニタ・ユンにそっくりなので確かめてみて欲しい。

 道中で出会う人々や起こるアクシデントが大抵あまりにも唐突のため、下手したら全てがご都合主義にしかみえなくなる可能性もあったと思うが、その置き位置や交錯が非常に計算されているのでそんなことはなく、ドタバタハチャメチャだが観ていて混乱することはないし、笑いを妨げる余計なトゲやズレもない

 このスラップスティックコメディは人物を最大限魅力的に描くのに成功している。「Mr.ビーン」で知られるローワン・アトキンソンモンティ・パイソンジョン・クリーズ「ジュラシック・パーク」の強欲プログラマーことウェイン・ナイト、さらにはオスカー俳優のキューバ・グッディング・ジュニア、キューバとウ―ピーは両者ともオスカー受賞であるが、アフリカ系のオスカー受賞者の男女共演というのは本作が初なのだという。そんな実力ある役者陣をうまくまとめ上げたのは何気に物凄いのではないだろうか。
 そして個人的に一番よかったのはエイミー・スマート。彼女の一番のヒット作と言えば「バタフライ・エフェクト」であると思うが、それで彼女を知りその後出演した「アドレナリン」でこんなのにも出ちゃうのか!とびっくりした人も多いだろう。しかし彼女はもともとコメディ女優であり、本作では落ち着いた淑やか様と、ぶちぎれて殺人すら躊躇しない恐ろしいさまを見事に演じきった。また、運動神経万能の野球少女であったことを裏付ける健康的なプロポーションもお見事だ。
 固定ファンがたくさんいそうな人(特にローワン・アトキンソン)ばかり出ているのにいまいち知名度が無いのは何故なのか。もったいない作品だ。

 

ラットレース [DVD]

ラットレース [DVD]

 
ラット・レース

ラット・レース

 
【映画パンフ】ラットレース

【映画パンフ】ラットレース