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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「DEAD OR ALIVE 犯罪者」―装飾に装飾を重ねたやり過ぎバイオレンス!―

DEAD OR ALIVE 犯罪者

 

あらすじ
 城島猛(哀川翔)は、熱血刑事ゆえに従来のヤクザともうまく馴れあう警察のやり方に上手く従順出来ていなかった。
 中国残留孤児3世の龍(竹内力)は同じ境遇の仲間を引き連れ、たいていの犯罪はこなしてしまう凶悪な一派を形成していた。
 城島の執念深い捜査により徐々に龍の存在が露になり、一連の犯罪の真相が明らかになっていくが……

 

おすすめ
 Vシネの二大巨頭、哀川翔竹内力のW主演作。監督は三池崇史。今思えば、なぜこんな映画を作ることが出来たのか不思議に思う超大作(?)。過剰なサービス精神は行き過ぎると狂気を帯び、最後は文字通り大爆発する!二度と作れない傑作映画だ。

感想
 端整なシナリオ、観客の心をうまく誘導する演出、その他……映画は様々な要素を合わせて構成される総合芸術だ。昨年大ヒットした劇場アニメ「君の名は」はそれこそ極限まで吟味し、”バランスの取れた”作品であり、だからこそあれほどまでたくさんの人々を夢中にさせた。
 今回の「DEAD OR ALIVE 犯罪者」はその様な、優等生的な映画とは対極に位置する。過剰に厚塗りを重ね、映画全体が恐ろしいほど歪んでいる……しかし、愛さずにはいられない!
 
 冒頭のハイテンション極まりない前フリオープニングから、この映画……只者じゃねえ、と確信させる。そして出てくる登場人物は皆どこか歪だ。仕事をせず、自作の尺八で演奏するばかりの警察署長、平泉成。バランスを重視する先輩刑事、本田博太郎。捜査現場に子供を連れてきちゃう後輩刑事、寺島進。獣姦ビデオの撮影にいそしむ情報屋、ダンカン。行き過ぎたスカトロプレイで相手を惨殺する幹部ヤクザ、石橋蓮司。麻薬の吸引が尋常じゃない大杉漣。どもりのヒドイ龍の仲間、小沢仁志。中国マフィアの首領、鶴見辰吾……とにかく過剰だ!

 とはいえ、この様にキャラクターが狂っている作品というのは数多い。他の作品と一線を画しているのは、その驚天動地、理解不能な展開だ。ある程度まではよくある刑事ドラマが描かれる。丹念な捜査とそれの引き換えとして冷え込んだ家庭環境、更には龍側の視点もわりと丁寧に描写される……
 なんだ、表面的には奇天烈だけど、中身は案外保守的(こういう作品よくある)じゃないか……と思ったら、突如その奇天烈キャラクターたちが、そのおかしさを盛大に発揮し、物語は一気に歪んでいく!それはまともな人物として描かれていた哀川翔竹内力にまで波及していく。そしていきなりエンドロール、これほど呆然とする映画はない……。

 狐につままれた!

 

 

Dead or Alive: Hanzaisha - Trailer