映画原人の穴

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「ロッキー」―俺はなんだ、なにやってんだ!―

ロッキー (字幕版)

あらすじ
 ロッキー・バルボアシルヴェスター・スタローン)は30歳になった今、ショボい賭けボクシングと高利貸しの取り立てに甘んじていた。
 そんなある日、世界ヘビー級チャンピオンのアポロ・クリード(カール・ウェザース)が自身の引き立て役としてロッキーを指名した。人生最大のチャンスだが、自分が完全な当て馬でしかないことに怖気づき、尻込みしてしまう。
 しかし、ここで逃げればまたみじめな人生を続くことになる。ロッキーはこの”やるかやらないかの選択”でやるを選んだ……

 



おすすめ
 映画を見ることで心が奮い立つ、そんな経験をさせてくれる映画がこれだ!
 ロッキーが、みじめな生活の中で手にした一つのチャンスをものにすべく死に物狂いで戦い、やがてそれを本当につかんでしまう。
 それは現実のスタローンの人生とほとんど同じだ。B級とも呼べぬポルノ映画で糊口をしのいでいたスタローンはある試合を観戦しわずか三日で「ロッキー」のシナリオを書き上げた。
 世界最強の名を手にしていたモハメド・アリとチャック・ウェプナーという全く無名の勝ち目のない当て馬ボクサーの試合だ。
 第2・3ラウンドでノックダウンされるだろうといわれていたウェプナーだったが、実際にはアリからダウンを奪い、ファイナルラウンドまで生き抜いた。
 当て馬だったはずのウェプナーは試合後、皆から称賛された。そのたった一つの試合で見せた意地と根性が人々のイヤミな視線を吹き飛ばしてしまったのだ。 その事実はこれから何作も続く「ロッキー」の根幹にあり続けるのだ。

感想
 昔は映画を観て泣くことなんて殆どなかったのだが、最近は少しばかり涙もろくなった。その中でもトップクラスに目から汁が出るのがこの「ロッキー」、もっといえばこのシリーズ全般だ。
 なぜ涙もろくなったのか考えてみると、多分一つは様々な経験・体験・思い出が増えてきたからではないかと思う。つまり映画を自分の人生と重ね合わせた際、似たような境遇や思いが多くなってきているのだ。
 「ロッキー」は人生のどん底に沈みかけていた男が一つのチャンスを掴み、仲間たちと共にそこに一切のエネルギーを注ぎ込んで、成功をものにしていく物語だ。
 そして私もこれまで敗北続きの人生だった。何度もあきらめかけた。しかし!ロッキーを観ると、自分がなんて小さなことで怖気づいているのか気付くのだ。
 スタローンはロッキーに自分自身を重ね合わせている事は有名な話だ。役者を目指すも上手くいかず、29歳まではまともな映画にはほとんど出たことがなく極貧であった(知られている作品は「デスレース2000年」くらいだ)。
 しかしスタローンはあきらめない。転機は突然訪れ、3日で書き上げた「ロッキー」のシナリオが、主演を当時の超有名スターにする条件で高値で買われることになった。しかし、スタローンは首を縦に振らない。
 なぜなら「ロッキー」はスタローン自身だからだ。極貧と劣等感をずっと耐え抜きながら役者の道を歩み続け、遂に自分がするべき、自分にしかできないキャラクターを作ることが出来たのだ、他の誰にも渡すことはできない!
 結局、自身が主役で撮影することに決まったものの予算は最低レベルになった。しかし、それがこの傑作を生んだのだ!
 余裕がない製作体制であり、皆が創意工夫を凝らし、自分ができることを最大限にやってみせた。ビル・コンティによる音楽も素晴らしく、『Gonna Fly Now』つまり『ロッキーのテーマ』は今や聞くだけで涙がこぼれる。最高の応援曲だ。
 この映画はスタローンが30歳の年に公開された。その後の活躍は説明するまでもないだろう。その年までどんな苦難も耐え抜いた不屈の男に敬意を示すほかはないし、自分の人生の師としてもとてつもなく尊敬できる男なのだ!

 

 


Rocky Official Trailer #1 - Burgess Meredith Movie (1976) HD