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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「金融腐蝕列島〔呪縛〕」―世界は呪縛でできている?―

邦画

金融腐蝕列島呪縛

 

 

あらすじ
 バブル期の栄華の陰にはその利益に食らいつく”総会屋”という株主が跋扈していた。バブル崩壊後の90年代後半、多くの銀行では未だその闇の関係が保たれていた。古くからの経営者には事態を改善する危機意識が備わっていなかったのだ。大手都市銀のACB(朝日中央銀行)もその例にもれず、ズルズルと関係を続けていく中、遂に東京地検による家宅捜索が入ってしまう。責任回避に終始する経営陣に対し、北野(役所広司)を筆頭とする30~40代の中堅社員たちは組織を改革し、総会屋との”呪縛”を断ち切るべきと訴え始める……

 

おすすめ
 伝統とは、強固な習慣のようなものでその通りにやっていけば良く、わざわざ変えようなどとは思いつかないものだ。とはいえ、時代は変わるわけでその伝統が維持できなくなる場合は数多い。その強固なシステムを変革できるエネルギーを持っているのは、それに毒されきっていない人々となるのだ。
 その点で観ると、本作の中堅社員たちが権力の濁流から必死に這い出そうとする”頑張り”はとても凄まじいものとなっているので社畜として使いつぶされそうな人は必見だ(NO MORE 自殺!)。

感想
 社会で、組織に属して生きていく。日本人の大概はそれを選択していくわけだ。日本人は働きアリだ、とか外国では揶揄されているようだが、日本では”働きすぎる”ことが美徳とされる伝統が今も根強く残っているのだからしょうがない。働いている割に生産性は低いようだが……。
 実際の効果や結果よりも、伝統に則っているかどうかを重視するようになったらそれは変革の時だ。そこで張り切らなきゃ男の風上にも置けない野郎という事になる。そう考えると多くの男たちは本当の”男”とは言えない。ハッキリ言って自分自身も胸を張れないが、様々なしがらみ、呪縛を気持ち良く叩き切っていしまう奴に憧れるし、日々それを目指しているわけだ。頭の中の啖呵を本当に発せられる機会はいつ来るのやら。
 決断を迫られた時、人はイジイジと悩むものだ。その躊躇いの期間に戦いの心の準備ができるか、ただ泣き寝入りをしてしまうか。そこが英雄と凡人の分かれ道となる。今作の北野の境遇では、多くの人が凡人となってしまうであろう。それ程のプレッシャーの中でも突き進む姿に感情を揺さぶられるなら……立ち上がる素質はあるんだ!やってやれ!