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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」―ファンタジーでも現実的―

洋画

マイティ・ソー/ダーク・ワールド(字幕版)

 

あらすじ
 「アベンジャーズ」から一年、ソー(クリス・ヘムズワース)は仲間達とともに混乱した世界に秩序を取り戻す戦いをつづけ、ようやくそれにも終止符が打たれつつあった。
 そんななか、九つの世界が直列に並ぶ”コンバージェンス”という現象が目前に迫り、それにともなう重力異常を調査していたジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)はその異常に巻き込まれ、異世界に飛ばされる。
 そこでジェーンは不可思議な力を吸収してしまうが、それは遥か昔にアスガルドとの戦いに敗れたダークエルフの支配者マレキス(クリストファー・エクルストン)が宇宙のすべてを闇に染めるために使おうとした”エーテル”であった……

 

 

おすすめ
 「アベンジャーズ」後の世界として「アイアンマン3」の次に公開された。前作は地球中心だったわけだが、今回は9つの世界を縦横無尽に行き来するすさまじいスケール作品となった。
 とはいえ、作品の根本をなすのは今回もまた家族問題であり、ジェーンがアスガルドにやってきてソーの両親と会ったり、ロキ(トム・ヒドルストン)とのかかわりも新たな局面を迎える。

感想
 日本での宣伝において、そのポスターアートは家族に主題を置いていた。正面には寄り添うソーとジェーン。その後ろ右には控えめにソーの父でアスガルドの王オーディンアンソニー・ホプキンス)が立ち、左上にはロキの悪役にありがちな不敵な笑みの顔アップ……。
 ソーの母親であるフリッガ(レネ・ルッソ)が居ないという事実が作品のテーマというより、日本で人気の高い俳優を配置しただけ、というのが丸わかりなわけだが(それは海外版も同様)。
 海外版ポスターでロキの位置にあるのは今回の真の悪役マレキスだ。何もマレキスが悪役としての魅力がない当て馬というわけではない。すべてを支配するという信念、その軍事力と戦闘力、見た目……一級の悪役だ。

 光の陣営(つまりアスガルド)とマレキス率いる闇の陣営は強いコントラストをなしているが、それはただ単に見た目だけではない。地上戦において光側は剣や槍を用いた近接戦だが、闇側は射撃武器を用いた遠距離戦であり、彼らは物凄く凶悪な手榴弾風の武器も扱う。
 しかし空中戦となるとそれは逆になり、光側は急襲をかけてきた闇側に対し備え付けの対空砲や、機銃やミサイルを装備した戦闘機で迎え撃つのに対して、闇側はまるでナイフのような形状の戦闘機に乗り、攻撃方法はその見た目通り体当たりだ。
 アスガルドは神々の土地ということで建造物から書籍、その医療技術に至るまで全て幻想的で、暖かみがある。一方で闇側はまるで未来の人間が作ったかのような機械むき出しのテクノロジーである。そしてそんな機械兵器が柔らかで温かい色彩を持ったアスガルドを暴力的に蹂躙していくさまは、今の世界に通じるものがある。

 異世界を舞台にしたファンタジーであるが、完全に地球から隔てられているわけではないし、超然とした格の違う相手でもない。それは”マーベル宇宙”で他の地球のヒーローたちと関わる中でしっかりと描いていかなければいけない事である。だからこそソー達は神でありながら人間よりも家族関係を丹念に描いてきた。
 また今回はストーンヘンジ等の現実に存在するファンタジーを上手いこと九つの世界というファンタジーとの関わりに使われている。さり気ないシーンにヒントが散りばめられているのは、ハリウッド独特の抜け目のなさだな。

 

 


 


映画『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』日本版予告編