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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0」―実写版が公開されるというので―

邦画

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あらすじ
 内務省に所属する機関「公安9課」は正体不明のハッカー人形使い」を追っていたが、捕まるのは操られた人形ばかり。ニセの記憶しか持たない人形たちに草薙素子は次第に自分を重ねるようになっていく……

 

 

おすすめ
 ついにハリウッド実写版のトレイラ―が公開された。それを機に観なおしてみたが、SFだったものが現実になりつつあることを強く実感した。それは技術もそうだが一番は「苦悩」だ。その苦悩はこの映画が製作された20年前には既にあり、今もなお、いや更に強くなっているのだ。

感想
 「攻殻機動隊」は”ジャパニメーション”というものを広く世界に知らしめた作品の一つだ。SF的なアイデアが様々な方向に影響を与えたのはもちろん、その描き方も目を見張るものがあった。
 電脳と義体化という合理化のいく末の様な技術が普及し、感情すらも合理的になり、皆冷めた表情をしている。しかし発言は(常に電脳で検索しているからか)妙に饒舌だ。
 そんな人々が暮らす世界は,ネットワークの拡大により天井知らずに膨大になる情報を表すように緻密に様々な要素が押し込められている(舞台となるニューポートシティは俯瞰してみると集積回路のようになっている)。
 この映画は現実の社会や事件、デバイスや街並みを詳細に取り込み、物語として濃密に出力している。これは”理屈が自転車に乗って走っている”と例えられる押井守監督の手腕だろう。
 
 そんな映画を実写化すると聞き驚き、さらに素子役がスカーレット・ヨハンソンで、荒巻がビートたけし?不安しかない……
 スカジョと素子の共通点なんてナイスバディだけだし、荒巻は「なんだコノヤロー、バカヤロー」とは言わないはずだ。
 とはいえもとの映画からはすでに20年も経っており、そこから世界はめまぐるしく変わり、映画もアニメも大量に新作が作られ、攻殻機動隊のシリーズも幾つか作られている。実写版のトレイラ―では芸者が客を襲うシーンがあるが、それはテレビアニメ版「攻殻機動隊S.A.C」の第一話がもとになっているのだろう。原理主義的なファンは元と全く変わらないイメージのリメイクを望むが、個人的にはこの20年の様々な要素を汲んだまた新しく生まれ変わった作品を見たい。しかし予告編は安いブレードランナー風だ。
 というか本家「GHOST IN SHELL」も2バージョンがあり、今回観なおしたVer.2でさえ賛否両論が激しかった(否が多)のだから、まあ過去にとらわれる必要はないだろう。

 個人的には実写版では映像で演じている人とは別の人が声をあてるとかいう工夫をしたら面白いと思うのだが……。肉体を思うように変えられるなら声だってそうできるはずだ。人間であるのだがその確証が持てない不思議な違和感が出てくるかもしれないし、荒巻にフガフガボイスは似合わないからな。
 
 まあ、それにしてもこの映画の世界と現実は非常に似ている。人々は情報の波にひたすら翻弄され、刹那的な一喜一憂に執着するほかない。これは空想が現実化したというよりは根本的な問題は今も昔も変わっていないということだ。人は常に新しい何かへの対応に追い詰められ、表面的な規制だとかに終始している。長い目を持つ余裕はなく、リアルタイムで更新される情報を追うことで精いっぱいだ。
 過去の書を何故読むのかというと、時代が変わり、人を取り巻く環境が変わったとしても根本は変わっていないからだ。極限まで分析し、考察した結晶としての文句は時代を超えて心に突き刺さるのだ。それは続編の「イノセンス」でさらに加速する。

 

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GHOST IN THE SHELL-攻殻機動隊 2.0 ORIGINAL SOUNDTRACK

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ハリウッド版「攻殻機動隊」!『GHOST IN THE SHELL ゴースト・イン・ザ・シェル』予告編


Ghost in the Shell | Trailer #1 | Paramount Pictures International