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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「マネーモンスター」―男の意地(だけ)―

 

マネーモンスター (字幕版)

 

あらすじ
 大人気の財テクバラエティテレビショー「マネーモンスター」がたった一人の男(ジャック・オコンネル)にジャックされた!犯人はその様子を生中継し続けるように要求する。人質に取られた司会者のリー(ジョージ・クルーニー)はコントロール室にいるディレクターのパティ(ジュリア・ロバーツ)から指示を受け、何とか犯人をなだめようとするが……

 

 

おすすめ
 リーマンショックから8年ほど経ち、そこから生じた”ウォール街を占拠せよ運動”等も落ち着いてきた。そして金融危機とは、もっと言えば金融とは何かを描いた映画が立て続けに公開された。マネーモンスターもその系譜にある作品であり、娯楽としての楽しさと社会そのものへの批判が見事に一体化した快作だ!

感想
 格差は拡大した。しかし苦しい立場に追いやられた人もなんとか上にのし上がろうとする。ここは階級社会じゃないんだ、やればできる!とりあえずテレビで株の買い時の株をチェックだ!

 これって今普通に行われていることだよね?テレビ、ネット、雑誌……どの媒体でも投資の情報はあふれかえっており、いま日本でゲキアツなのは不動産だ。
 
 じゃあそれを信じて金を注げは倍になってリターンされるのか……ってそんなわけあるか!そうやって話題になっている時点で市場は盛りの絶頂なんだから後はただの暴騰でいつ崩れるのかわからないのだ。バブル時代みたいなもんだ。この映画はテレビのおススメ銘柄を鵜呑みにしてしまった男の悲劇の物語なのだ。

 サブプライムローンなど口八丁手八丁で旨そうな話に乗せられた庶民を投影されたこの男の活動は、次第に金融の闇を浮かび上がらせていく。要は今までの一連の金融騒動をそのまま描いているのだ。

 さらに現代のネット社会にも深く切り込む。ネットを介在して世界中の出来事を瞬時にシェアできるようになったが、唯どんなものでも面白がり囃し立て群がるだけの人々。世の中は段々と刹那的になっていき、すべては一瞬の快楽のためでしかないようだ。

 結局のところ、その魔の手たちが消えて無くなることはなく、一生続いていくようだ。だから人々は自分のレベルにあった生活からはみ出さずに生きていくべし、そんなことを言っているように思えた。そんなのは嫌だ!