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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「リベリオン」―君は感情がない世界を想像できるか―

洋画
 

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あらすじ
 感情が抑圧された近未来。人々は感情を消去する薬物を打ち、絵画や文学など感情を動かす恐れのあるコンテンツの所持は禁止されていた。それらの違反者を摘発する者のことを「クラリック」と呼 び、「ガン=カタ」という戦闘術を武器に次々と違反者を処刑していたが、第一級クラリックのジョ ン・プレストン(クリスチャン・ベール)は同僚のパートリッジ(ショーン・ビーン)が違反者であることを知り、自ら彼を処刑した時から感情に揺らぎが生じ始め、ある時薬を打ち逃してしまう……

 

感想
 この映画は10年近く前にwowowで観た記憶がある。当時は「ガン=カタ」のみに注目していたのだが、改めて観返してみると作品のディストピア的な世界観にも目が行った。SF映画において未来の社会は完全に管理された全体主義になっているという設定は割とポピュラーであり、それはジョージ・オーウェルの「1984」という小説から綿々と受け継がれてきたものであり、このリベリオンもその系譜に含まれていると、今は知っているのだが、初めて触れたのは多分この作品だった。

 リベリオンが原案としている「華氏451」という作品は既存の本に触れることを禁止し、政府主導のテレビ番組を延々と見せることで国民を無気力で政府批判思想を持たない愚民に仕立てていたが,リベリオンでは簡潔に薬を打たせる。完全に感情を殺してしまう薬らしいのだが、ハッキリ言って本当に感情が欠落しているようには見えない。そもそも我々は感情がない世界とはどんなのか想像できないのかもしれない。

 ある時のさまぁ~ずのトークライブで「笑いのある世界と、ない世界に」についてトークする場面があったのだが、結局どちらの世界でも見ている側にしてみれば笑える世界だった。要は物事というのは感情で判断するしかないのだ。世の中には合理的な判断というものがあるが、それだって幾多の感情的な判断のもとに成り立つものだ。本当に感情がないのだとしたら、そこにいる人間や社会は薄っぺらで、ちゃんと成り立っているとは言えないものになるだろう。

 要はこの「リベリオン」は感情に満ち溢れている映画だ。登場人物たちは出世や将来についてちゃんとした欲望を持っている。持っていなければ何故エリートのクラリックになりたいとか、志望を持つのだろう。映画とは感情がなければ成り立たないのだ.

 とは言え、この映画の真の見どころはそこではない!それはチャンベールアクション、もといガン=カタだ。低予算映画(とはいえ邦画にしてみれば超大作級)でありながらも様々な工夫と魅力的なキャストによって作られたディストピア世界において、ハイスピード・無感情なそのアクションは雰囲気もピッタリで物語の粗さを気にさせなくすらさせる程魅力的だ。「ガン=カタ」という単語にピンときたら観てみてくれ!ちなみにカート・ウィマー監督の次作である「ウルトラヴァイオレット」ではミラ・ジョボヴィッチがガン=カタをしているからそれも必見だ。

 

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