映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「レヴェナント蘇りし者」―野蛮なことを恥じるな!―

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あらすじ

 1823年冬、毛皮捕獲任務に従事していたグラス(レオナルド・ディカプリオ)はグリズリーに襲われ瀕死の重傷を負い、さらに息子のホーク(フォレスト・グッドラック)をフィッツジェラルドトム・ハーディ)に殺されてしまう。その後置き去りにされたグラスは怒りと復讐心を力に変え、必死にフィッツジェラルドを追い始めた……

 感想

 アメリカ北西部の巨大な自然の中を自らで歩み進んでいるんだ、と錯覚するような流麗なカメラワークにより、上映開始直ぐに作品世界に没入してしまった。私は映画を観て感情移入する必要はないと考えている一派なのだが、この作品は無意識のうちに自らが「そこにいる」感覚を味あわせ、ディカプー(略称)と感覚を共有する錯覚を感じられる。TOHOシネマズ独自のTCXスクリーンとドルビーアトモスの力も大きいだろうが、今回アカデミー撮影賞を獲ったエマニュエル・ルベツキの手腕の卓越ぶりを体感させられてしまったってわけだな。

 映画は西部開拓時代が舞台となっており「インディアン=野蛮人」の図式が開拓者にとって当たり前だった。そんな時代ではインディアンの女は性欲の捌け口でしかなかった。しかしディカプーはインディアン、ポーニー族の女と真剣に愛し合い、出来た子供もしっかり育てているため、両者の比較もまともに出来ている。そして彼に感情移入している我々は劇中に出てくる「人は皆野蛮」という言葉がしっくりとくるのだ。

 そして話の軸は「復讐」であるが、よく復讐は何も生まない!というアレがあるが今回はディカプーの生命力を生み出している。劇中でディカプーに極限状態の危機が繰り返しやってくるが、彼は息子の復讐を一心にそれを回避していく。殺しの復讐も野蛮であるが、生きる根源になり得るのだ。復讐の後の話は復讐の後に考えればいいのだ。

 そしてそんな人間たちを容易く包み込んでしまう最大のキャラクターがいる。それは自然だ。個人的に一番気に入ったのは風でうごめく木々のざわめき。それだけで焦燥感、閉塞感、絶望感を表現できている、感じ取ることが出来る。これはやはり、劇場の大スクリーンでしか感じられないだろう。最近大スクリーンならではを味わえる映画が増えてきている気がする。映画を斜陽と言ってはいけねぇ、今こそ……行って来い!

 

 

オリジナル・サウンドトラック盤「The Revenant(蘇えりし者)」

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The Revenant

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The Revenant (蘇えりし者)*アナログ2枚組 [Analog]

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