映画原人の穴

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【映画】「ボーダーライン」―歯車はつらいよ―

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あらすじ

 誘拐事件の容疑者宅に突入したFBI捜査官のケイト(エミリー・ブラント)らを待ち構えていたのは大量の死体だった。ケイトはその巨悪の親玉を捕らえる特殊部隊にリクルートされ正義を胸に抱くが、ともにミッションに参加する謎のコロンビア人(ベニチオ・デル・トロ)の手段は正義とは言えないグレーゾーンなものだった……

 感想

 この映画は凶悪な処刑によって世界中の中二病患者の注目を集めるメキシコ麻薬カルテルを描いた映画だ。冒頭の何十体もの死体やフアレス(現実でもカルテルがらみの処刑が絶えないことで有名なメキシコの市)での首なしの見せしめ死体など、要所要所のショックシーンが作品全体をギュッと引締め常に息苦しい緊迫感が漂っている。

 邦題のボーダーラインは善と悪のそれを言っている。ケイトは考え方もやり方も善である。しかしそれが何時、どこでも通用するわけではないのだ。デルトロはカルテルを捕らえる、という善の目標を持っているがやり方は全く善ではない、カルテルと同じだ。でもそっちの方がケイトよりも上手く働く。

 ケイト役のエミリー・ブラントトム・クルーズ主演で日本のラノベを映画化した「オール・ユー・ニード・イズ・キル」で最強女戦士を演じていて、今回のポスターでは武装してど真ん中に立っているのでさぞ派手な大立ち回りをしてくれるのでは、と期待している人も多いかもしれないが残念ながらそれはない。むしろ正義感に突き動かされ自ら起こした行動が全て裏目に出てしまう。しかも女という性すら何時の間にか利用されてしまうのだ。

 結局、ケイトは組織の末端の歯車でしかなかったのだ。それがいくら自己主張しても、もっと上の視点から見るとその主張すらコマの一つでしかなく体よく利用されてしまうってわけだ。派手な銃撃シーンやゴアシーンを期待していくと、社会の嫌な面をまざまざと見せつけられるから中二病の皆は要注意だ!

 

 

 

 

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