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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「赤ひげ」は説教のお手本だ!

邦画

赤ひげ[東宝DVD名作セレクション]

あらすじ

 長崎で最新の蘭医学を学んだ保本(加山雄三)は幕府の御目付医というエリート職に就けると思っていたが、実際には小石川養生所という貧民専門の出世とは程遠い場所に配属された。当初は反発する保本だったが、貧しくとも懸命に生きる人々の姿や所長である”赤ひげ”(三船敏郎)の生き様に触れることで考えが変わっていく……

 感想

 この映画に対する批判で多いのは「説教くせぇ」というものだ。確かにそれは思った。「人生で大事なのはいかに経済的な豊かさを得られるか。ではなく、いかに社会に貢献できるか」が話のテーマだと思った。

 「赤ひげ」の舞台である小石川養生所は江戸時代に実在した施設だ。ここは貧民専門の診療所であり、それ故医師の給料も安く出世もない。

 エリートの保本はそんな所に配属され、加えて許嫁だった女が長崎にいた時に他の男と懇ろになり、子供までこしらえていたという悲劇に襲われ、ふて腐れてしまう。

 そんな彼が心を改め、本当の医師とは何かを知り、それを歩み始める。という話を3時間かけて丁寧に描いていく。

 そこで言われる”本当の医師”とは「私利私欲に囚われず、人のために身を粉にして頑張れる者」だ。

 これは医師だけでなく他の全ての人間に普遍的に当てはまることではないだろうか。「パナマ文書」で明らかになったように自分の利益しか考えない者は結局断罪されてしまうわけだ。

 この様な普遍的なテーマをストレートに伝える映画は大抵気恥ずかしくて観ていられないものだ。しかし「赤ひげ」は三時間夢中で観ることが出来る。何故か。

 それは様々な要素を非常に吟味し、ハイクオリティに仕上げているからだ。一瞬でも「手抜き」があれば結局「欺瞞」にしか見えなくなるのだ。

 それに「赤ひげ」はエンタメとしても一流だ。人情シーン、壮絶な手術、狂気的な人間、ダイナミックな格闘、衝撃的な家屋倒壊シーンなど見せ場が盛りだくさんで単純に面白い。それにキャッチライトなど細かいギミックも抜群に効いている。

 3時間の間一度も手を抜いているシーンがないので観た後はドッと疲れてしまうだろう。

 

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