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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「オリバー・ストーン もうひとつのアメリカ史vol.1」―ほう・れん・そう、を大切に―

テレビ・ビデオ

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史DVD-BOX

あらすじ

 第二次世界大戦は何故あんなに大惨事になったのか、民主主義がファシズム、ナチズム、軍国主義を打倒したグッドウォーだったのか。教科書では語りきれない誰も知らなかった本質に迫る!

 感想

 教科書では語りきれないのは当然

 歴史教科書の内容に関して様々な議論がある。ナポレオンは歴史とは「合意の上に成り立つ作り話」であると言ったが合意していない人もいるわけで全員が納得する歴史とは存在しないのだ。

 それにいくら出来が良くても教科書一冊で歴史を完ぺきに理解できるわけはない。高校の日本史教科書で一番細かい記述と言われる山川出版の「詳説日本史B」は439頁ほどあるらしいが、それで日本の全てを語れるだろうか。そんなわけはない!

詳説日本史B 81 山川 日B301 文部科学省検定済教科書 高等学校 地理歴史科用 (81 山川 日B301)←とはいえ一年でこれをやるのは大変だ!

 そこに描かれた歴史はある一方の視点から描かれているものであり、省かれたシーンも勿論ある。オリバー・ストーンはこのシリーズでそれをあぶり出し、消されてしまった「もう一つのアメリカ史」を構築した。

 連合国は何故勝てたか

 戦争で重要なのは何か。物量は大切だ。当時のアメリカはWW1で疲弊した欧州に代わり「世界の工場と銀行」となっていてWW2についてもアメリカは参戦する前に英ソに対して総額400億米ドルの武器を供給している。

 日本と比較してみるとアメリカが1943年に飛行機を年間10万機製造していたのに対し、日本は全期間合わせて7万機のみ。石油においては1944年の日本の生産高が1とするとアメリカは956.3だった。

 しかしもっと大事なものがある。それは情報だ。正しい情報を入手し、適切な対策をとる。単純だがこれが重要だ。ソ連社会主義国であり、英米とはイデオロギーが真逆であるがルーズベルトチャーチルソ連の対独戦の結果を高く評価し良好な関係を築いていた。

 WW2において最大の犠牲者を出したのはソ連であり、連合国勝利の一番の後継者はソ連とする意見もあり、反共主義で知られるメディア王ヘンリー・ルースもタイム誌における「マン・オブ・ザ・イヤー」にスターリンを選出し、ライフ誌にはソ連とアメリカの市民生活の類似点特集を組んでいる。良いもんとの類似点を見つけ喜ぶというのは今の日本ではよく見る事ではないだろうか。というか「ライフ」と「タイム」の創刊者って同一人物なんだね。

 対照的に枢軸国の連携は最悪だ。日独伊三国同盟を結びはしたが、ヒトラーは人種差別主義者で日本を軽視し、なんの相談もなしに独ソ不可侵条約を撤回し対ソ戦を始めたりしている。そして日本もドイツ等と連携をとることもなく勝手な戦争を始めていた。「ほう・れん・そう」は社会人必須のスキルだ。お前ら戦争してるくせにそれも出来んのか!

 日独が連携してソ連を挟み撃ちすれば崩壊させることも可能であったとも言われている。何のために同盟組んだのかわからないね。余談だが日本軍の虐殺動画が割とふんだんにあるが何で残ってんの?武器を海に捨てる暇あったらこのフィルム捨てろよ!自分の悪事の記録を残すとかTwitter民と一緒じゃねえか、昔も今もかわんねぇな!

 崩壊は内部から

 そんなわけで連合国は圧勝ムードであったが、実質トップのルーズヴェルト脳卒中終戦間近に急逝してしまう。副大統領が大統領になるのだが、当時の副大統領はトルーマンだった。

 しかし副大統領になるべき男は他にいた、その名はウォレス。ウォレスはニューディール政策を担当したりしていてルーズヴェルトの右腕的存在だった。しかし彼には敵が多かった。それは彼は進歩的過ぎたからだ。人種差別を嫌悪し、酒やたばこを嗜むよりスポーツを愛し、仏教ゾロアスター教を学んだ。そして庶民による革命と植民地主義の撤廃、つまり帝国主義を嫌悪していたからだ。チャーチルは彼にスパイを付けたという。

 チャーチルアングロサクソン種の優位性を信じており、帝国主義の撤廃はあり得ないことだった。ヒトラーとの違いは虐殺するのではなく”搾取する”ということだけだ。

 トルーマンは反ウォレス派により副大統領の座に就いた男だ。この副大統領選挙はほとんど詐欺だ。そしてこの男は師匠のバーンズの人形と化し、ルーズベルトが築き上げたソ連との良好な関係をぶち壊してしまう。バーンズは人種差別の根強いサウスカロライナの出身で情勢に乏しいトルーマンは彼の偏見に満ちた情報を信じ切っていたからだ。

 そしてその頃アメリカは恐怖の死神を手にする。「核爆弾」だ。トルーマンはこれをどうするつもりなのか。続きはvol.2で。

 

オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1: 2つの世界大戦と原爆投下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

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