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映画原人の穴

映画を中心とした感想ブログです。ネタバレなしです!

「オデッセイ」―1人を救うのはエゴなのか―

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あらすじ

 火星の調査隊が大嵐によって緊急脱出することになった。しかしその際、調査員の1人のマーク・ワトニー(マット・デイモン)が突発的な事故により死亡した。

 と思いきや実は彼は生きていた!一人きりの火星サバイバルが始まる!!

 

感想

 主人公マーク・ワトニーを演じるマット・デイモンクリストファー・ノーラン監督作「インターステラー」においても宇宙で一人きりになっており、同作で共演したジェシカ・チャスティンは今回は上司の船長役だ。

 ところで何故邦題はOdysseyなのか。この意味は長い放浪とか長旅とかいう意味だが、原題はMartianでつまり火星人だ。確かに火星人と何もなしに訳せる日本人はいないかもしれないがそれはOdysseyでも同じだ。ホンダの車という理解しかないぞ!

  どうせ変えるんなら「奇跡のポテト」とか「余命600ソルの火星人」にしろ!

 この映画の筋は火星に取り残された1人の植物学者をみんなで一生懸命救おうとすることだ。みんな有能な人でワトニー自身も持ち前の植物知識を使って火星史上初のポテト農家になったりする。

 またディスコ音楽の多様によって割とポップな作風になっている。今は映画でオリジナルスコアの他で既成の音楽を使うことは当たり前になっている。それを広めたタランティーノ自身は最新作の「ヘイトフルエイト」でオリジナルスコアを使っていたのでこれが逆転現象、ということになるのか?

 また日本人が疑問を持ちそうな点において、一人を助けるのにいくらコストをかけてんだ!というものがある。少し前にニュースキャスターの辛坊治郎氏がヨットで遭難し、自衛隊に救助された際も助かって良かったという声よりも救助費用に多額の税金が使われたことに対する批判の方が多かったのだ。自己責任が悪い方向に行ってしまった。

 ワトニー救助に使われたコストはそれどころではない。それこそ天文学的な値かもしれない。フィクションであれそこが気になる人も多いのではないだろうか。しかしアメリカでは難病の子供を祭り上げる事が多々あるため、価値観の違いを理解するには良いかもしれない。遠くの万人より近くの一人なのだ、火星は遠いけどね。

 もうひとつ価値観の違いを認識したのはクリスティン・ウィグ演じるアニー・モントローズ。ブロンドのショートカットが抜群に似合う熟女だ。

f:id:genjinoo:20160311190506j:plain←コメディ作品の出演が多いぞ!

 彼女は生真面目そうな幹部を演じているが胸の谷間がガッツリ見える服を着ているシーンがある。日本人からすれば「ウォー!」と思うファッションだが向こうの人にしてみれば普通のことであり、むしろむこうからすれば日本人が普通に履いてるミニスカとかニーハイブーツのほうがイヤラシイらしい。日本と欧米では上半身と下半身の露出の価値観が真逆らしいのだ。ちなみにニーハイブーツは欧米では立ちんぼファッションらしいから要注意だ!

 ハリウッド的な定番演出が鼻に着くシーンも多いが、面白いシーンも多い。個人的に一番おもしろかったのは途中の救出ミッションの仕様変更時の責任押しつけのパス回しの速さだ。ほいほいほいと瞬く間に責任の所在が移動し、更にみんながすぐにそれを受け入れる物分かりの良さ!この作品の世界はしがらみのない世界だ。嫌なことがあったらこれを観て気分転換するのもいいだろう。むしろムカつくかもしれないけど・・・・・・

 

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

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Songs from the Martian

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火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

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