映画原人の穴

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「ヘイトフル・エイト」はジンジン映画だ!

 

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あらすじ

 猛吹雪が迫る中、それから逃げるように疾走する1台の駅馬車。それには賞金稼ぎのジョン・ルースカート・ラッセル)と彼の獲物のデイジー・ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)が乗っていた。

 そこに同じく賞金稼ぎの元北軍黒人マーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)と南部の略奪団の一員であるクリス・マニックスウォルトン・ゴギンズ)が乗り合わせる。

 

 用心深いルースはこの奇妙な出会いを不審に思い警戒するが駅馬車は吹雪の避難地である紳士服飾店に到着する。

 中に入るとそこには一癖ありそうな曲者たちが同じく非難していた・・・・・・

感想

 いかにも何か起こりそうな不安感をあおる音楽をバックに何もない白銀の世界を1台の駅馬車が疾走する。タランティーノと言えば既存の音楽を巧みに使い、それをまるで台詞かの如く作品に溶け込ませてしまう事で知られるが今作ではオリジナルスコアが作成された。

 担当したのはエンニオ・モリコーネマカロニウエスタンをはじめ、数々の映画音楽を作曲してきた巨匠でタラが敬愛する一人だ。長年タラが願っていたモリコーネのオリジナルスコアは過去作品の楽曲群に負けないほど映画を盛り上げる。

 今作は殆どが服飾店の屋内を舞台にした密室劇であり、会話が中心となる。そうなると「レンタル待ちでいいっしょ!」と思う人も多いだろう。しかし今作は劇場、それも出来るだけデカいスクリーンで見なければならない。

 それはタラが70mm撮影にこだわった事からも何かしらの意図があるのはわかるし、実際行ってもらえれば分かってくれるはずだ。

 そのやけにワイドな画面一杯にひろがる店内、これは「スワロウテイル」(岩井俊二監督)や「キル・ビル」(タラ監督)の青葉屋(終盤のお店)の美術で知られる種田陽平が手掛けたもので、ここを見ているだけでも楽しい。1つの部屋にリビング(暖炉付き)、ダイニング、キッチン、お菓子置場や数々の鉄器、さらにはベッドと、ありとあらゆるものが詰め込まれているのは男心にキュンとくるものがある。

 そこを舞台に一人の顔がドアップになったり、手前と奥で別々にドラマが進行したりする。これは家のテレビやスマホでは十分に堪能も理解もできないだろう。つまり劇場に行くしかないわけだ。

 お話も絶品だ。丹精に作り込まれた緻密な物語は開始早々緊迫感があり、我々は何も見逃さぬ様に必死で食らいつく。テンションは心臓がジンジンするほど緩慢に、そして確実に高められ、ある時猛然と爆発する!

 そこからはまさに悪意の奔流であり、まさにHATEFULだ。一歩間違えれば悪ふざけに取られかねないほど凶悪なバイオレンスシーンも、暴力表現を鍛えぬいたタラは圧倒的な恐ろしさを維持して描き切った。

 アクションをかっこよく撮ることが主流の今、こんなにジンジン響くアクションはない。今作は近年稀にみるジンジン映画だ。

 またタラ節は健在で男女関係なく人種差別、性差別のワードで罵り合う。最初の内はヒヤヒヤだが、何時しかそんな差別は不必要で意味も無いことに気付く。「クサいものに蓋」の理論では気付けない事実が今作では描かれる。

 それと丸の内ピカデリー!途中でトイレ休憩を入れてくれ!膀胱もジンジンきちゃったよ・・・・・・

 

f:id:genjinoo:20160301233632j:plain ←パンフも買っとけ!

 

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